まちづくりの現場を歩く~横浜創造都市事業

6/27は学部ゼミで行っているまちづくりの現場を歩くの第2弾、ナレッジトラストの三浦さんにご協力いただき、横浜市の創造都市事業について担当されている方にお話を伺い、現場を見せていただきました。

ます、YCCS(横浜創造都市センター)で、横浜市の肥山さんより横浜市の創造都市構想について、横浜市芸術文化振興財団の杉崎さんより具体的な事業についてのお話を伺いました。
20130627YCCS

続いて、BankARTNYKに移動しました。2階、3階はちょうど2ヶ月間アーティストやクリエイターの方にスタジオとして貸し出しされている期間にあたり、スタジオとして利用されているアーティストの方にお話を伺ったり、作品を見せていただきました。
20130627BankART
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BankART代表の池田さんのお話を伺い、その後ハンマーヘッドスタジオに行きました。
ハンマーヘッドスタジオは予想していたよりもずっと巨大な施設で、BankARTのスタジオを私用していたのがアーティストの方が中心でしたが、こちらは建築家やデザイナーなどのクリエイターの方のスタジオも多くありました。
各スタジオは本当に個性的で、今度は是非オープンスタジオの日に伺いたいと感じました。
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配財プロジェクト 三田大介さんの講義

本日のスタジオは、外部の先生のお話の第2弾、墨田区の配財プロジェクトの三田大介さんでした。

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墨田区の町工場の廃材を使って、万華鏡を作ったり、打楽器にするなど、廃材を「配財」にしていくプロジェクトについてお話を伺いました。

三田さんのお話から学んだことはたくさんありましたが、特に印象に残っていることは、配財プロジェクトで、プロジェクトを他の人に伝えるためにいろいろな試みをされていること(web、youtube、facebook、プレスリリースなど)、それらの試みが今はあまりハードルが高くない、ということです。
例えば、イベントを行ったら、それをビデオ(カメラについている録画機能)で撮影をして、すぐに編集をして、youtubeにあげることによって、その場限りのイベントでは終わらせないということで、これは今後スタジオでプロジェクトを動かして行くに当たって欠かせないことだと感じました。

前回の新田さんの講義でも感じましたが、まちづくりにおける人と人のネットワークの大切さを改めて感じた講義でした。

三田さん、企画をしていただいたmass×mass関内の治田さん、どうもありがとうございました。

食卓研究家 新田理恵さんの講義

今年の学部のスタジオ(都市生活デザインスタジオ)は、mass×mass関内さんにご協力をいただき、関内の若者向けツアーの企画を目指しています。
春学期はその準備として、ワークショップやインタビューの技法の習得に加え、地域資源を使って地域活性化をされている方3名のお話を伺います。
6/19はお一人目、食卓研究家の新田理恵さんをお招きしました。
新田さんが関わっていらっしゃる、船坂の廃校を利用したお土産づくり、気仙沼での地元高校生とのなめりぶしを使ったラー油づくり、石巻での地元のお母さんによる鹿の角や網の糸を使ってつくるアクセサリーocicaのお話を伺った後、簡単なワークショップをしました。
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どうやったら新しいアイディアがつくり出せるのか、どうやったら持続的に売れる商品がつくり出せるのか、実践に基づいたお話は学ぶことがたくさんありました。
学生一人一人が今日のお話をどう消化して、今後のスタジオに活かしてくれるのか楽しみです。
新田さん、企画をして下さったmass×mass関内の治田さん、どうもありがとうございました!

見学会:横浜の都市デザインを歩く

研究室では、月1回まちづくりの現場へ見学に行っています。
5月23日は、横浜市の都市デザインを見学に行きました。
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13:30に馬車道駅を出発して、山下公園を通って、16:00に関内駅に到着するまで、暑い中2時間半ほぼ歩き通しでした。
その日の予報は夕方から雨でしたが、歩いている間はずっと晴れており、関内駅前で解散してから30分ほどしてから雨が降ってきました。

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外壁を保存した旧日本火災ビル(馬車道)

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東京芸術大学大学院(旧富士銀行)(馬車道)

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都心プロムナードのタイル絵

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山下公園とフランス山を結ぶフランス橋・ポーリン橋

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日本大通りのオープンカフェ

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市役所前のけやき広場

学生の感想です。

私の地元の長崎駅では新幹線をつなぎ、街を活性化させる為に駅周辺の商店街や道路の再整備が決定している。そのため、昔から存在する商店街は撤退することになり昔の面影は無くなってしまう。再整備は新幹線の観光客に足を運んでもらう目的もある。今回見学した地域のように歩行者空間の整備、そして動線の確保は駅周辺でも取り入れることが可能ではないだろうか。そして街全体が一体となって徹底したまちづくりが行われることに期待したい。

馬車道、日本大通り、山下公園ともに歴史的景観の保全や快適な歩行者空間に力を入れてまちづくりを進めて来たことがよくわかった。色調の統一や壁面後退といった整備をこれだけの広さで行うことで、「地区」を超えて「まち」としての一体感が生まれるのではないかと感じた。しかし、ただ整備をするだけでなく、たとえば山下公園においては高架と貨物線、歩道橋の複雑な構造を避ける、日本大通りの歴史的建造物を保全する際には高層部の色調は淡くする、というような些細な気づきや気配りがあってこそ統一感のあるまちが生まれるのだと思う。そういう意味でも、ただ制度や建築をすすめるのではなく、利用する人の目線に立つということの大切さに気付いた。

これまで、横浜の関内地区はとても魅力的で、それは他の追随を許さないような良い「素材」がもともとあるからだと思っていた。だが、横浜の都市デザインについて勉強していくと、素材だけではなくあらゆる努力がここでなされてきたことが分かる。まちづくりを一つ一つ見ていくと、なかなかユニークではあるが、標識の色を変えるなど、模倣するのはあまり困難でないように思える。しかし、横浜のまちづくりがうまくいっている、と外部から思われるのは、それが「横浜の都市デザイン」という一つの明確なプランのもと、うまく調和するように行われているからだと思う。ある地域だけに力を入れる、または独立させるのではなく、それぞれをつなぐことで全体を魅力的なまちにしているのだと思う。そうした、少し見ただけでは模倣できないという点では徳島県上勝町の葉っぱビジネスのようなものなのだろうか。もちろん横浜のまちづくりにもまだ課題はあると思うが、この「つなぐ」という発想はどこでも活かせるのではないだろうか。